カーボン粉末を用いたin-situ 還元によるTiO2-x 熱電材料の作製と高性能化

摘要

近年，地球温暖化などの環境問題が深刻化しており，クリーンな新エネルギーが注目されている．工場や都市部の廃熱など大量の熱エネルギーが無駄になっている．そこで，これらの廃熱を有効利用することのできる熱電材料に関心が高まっている．現在，広範に実用化に至っている熱電材料は，有害で希少な元素が用いられていることや高温域での使用が困難といった短所がある．そこで本研究ではTiO_2-x 熱電材料に注目した．TiO_2 は地球上に多く存在し，化粧品などに使われており人体に無害である．またTiO_2 は金属酸化物なので融点が高く，高温域での使用が可能である．しかし，TiO_2-x 熱電材料は高性能化および材料作製時の焼結と還元の2 プロセスが必要である．そこで本研究では木炭粉末をあらかじめTiO_2粉末と混合して焼結することにより，焼結とTiO_2 のin-situ 還元を同時に行うことによりTiO_2-x 焼結体を作製した．また，TiO_2-x の焼結体を様々な条件で作製し，最適な条件を調べ，高性能化を目指した．