小型永久磁石同期モータにおけるd軸電流重畳を用いた騒音抑制システムに関する研究

摘要

本研究の目的はPMSMの騒音を電流制御により抑制することである。本研究ではd軸電流重畳による騒音抑制手法を考え、本稿では正弦波電流をd軸電流に重畳により発生する振動成分を理論的に導出し、実際に実験にて確認を行った。理論的な導出ではステータに加わる力をステータの起磁力分布とロータの磁束密度分布から導出し、重畳がない場合には0f_eと2f_e成分の振動が発生し、d軸電流に正弦波電流を重畳した場合には0f_eと2f_e、1f、2f、2f_e±lf、2f_e±2f成分が発生することが確認された。また、1fと2f_e±1f成分は重畳電流の振幅と、それ以外に発生する成分は重畳電流の振幅の2乗と比例関係であることが分かった。そして、実機実験にて1fと2f成分が電流重畳により発生していること、1f成分の大きさが重畳電流の振幅と比例関係となっていることを確認した。