平成23年台風12号により発生した深層崩壊地 の湧水の水質形成過程に関する研究

摘要

本研究では，深層崩壊地のボーリングコアを用いた溶出 試験を^レ岩石からのィオン溶出特性の把握を行つた。 その結果から，深層崩壊地の湧水の電気伝導度が高くなる 条件と，電気伝導度の■に関係するイオンを明らかにし た。得られた結果を以下に示す。 -溶出試験結果から，①岩石が水に接する時間が長い， d岩石力s塊状ではなく破,である，③岩石が常時地 下水位以下に存在する場場合に，岩石からのィオン溶出 量が多くなる。また，イオン溶出量が多くなる場合は 電気伝導度が高くなること力ゝら，地下水流動過程で接 する岩石と上記の〜③の条件を満たす場合に，地下水 の電気伝導度が高くなる可能性が高い。 -電気伝導度の変動を把握する際の攛票として柳となる可能性の高レ、ィオンはHCOfとCa2+である。 今回得られた結果より，岩石の破砕などによって地下水 の電気伝導度が変動することがわかった。岩石の破砕程度 による電気伝導度の特！性を把握することにより，斜面の重 力性変形を引き起こす破砕の進行レベルを判断できる可能 性3がある。しかし，地形地質などの要因によって電気伝導 度の特性ま多様であることが予想される。今後は検証事例 を増やレ電気伝導度の特性こ関する知見の蓄積を図りたい。