「学生が授業し、学生が評価する」: 社会経験を活かした大学での授業紹介

摘要

筆者等の一人森下は、平成26年度に、福岡工業大学の非常勤講師を拝命し授業を行った。担当科目は3年次開講科目、「電気エネルギーシステム工学Ⅲ(前期開講)」及び「電気エネルギーシステム工学Ⅳ(後期開講)」の2科目である。これらの科目は、2年前期より続く一連の4科目の一部であり、4科目全体で教授する内容は「発電」「変電」「送電」「配電」に関する事柄である。テキストには電気学会大学講座「発変電工学総論：財満英一編著」と「送配電工学[改訂版]:道上勉著」の2冊を用い、2年生の段階で発電に関する内容と送配電工学の一部(第1章電力系統、第2章送配電系統の電気的特性)が終了している。2年次開講科目はいずれも必修科目であるが、3年次開講分はいずれも選択科目である。ただし、卒業後に実務経験を経て申請により電気主任技術者免状を取得するためには必ず受講しなければならない科目に位置づけられており、その他には電気エネルギーや電気設備関連分野への就職を希望する学生が多く受講するものと考えられる。このようなことから講師の委嘱に際して要望されたことは、①学生に対して、架空送電•直流送電•地中送電、配電•変電に関する実務的な知識を教授すること、②電気技術者として社会へ出て行く際の心構えなどを授業を通して伝達•醸成すること、の二つであった。