階層的領域分割による射影を用いた文字領域推定手法の検討

摘要

近年，書籍等の携帯性や保管場所の縮小等の利便性を得るため，書籍等をデジタルデータに変換し，電子書籍化する事が多くなっている.また，文字認識精度の向上により，電子書籍化を行う際に文字認識を用いてテキストデータ化している.しかし，従来の文字認識を用いてもテキストデタとして読み取る事が出来ない文字がある.広告等で用いられる一般的なフォントを誇張表現した文字が例として挙げられる.また，コピー機には文字モードと写真モード，文字写真混在モードがあり，一般的なフォントを誇張表現した文字を文字写真混在モードで識別すると，文字領域が写真領域として識別される問題が生じている.そこで，誇張表現された文字の特徴を利用し，射影を用いて文字領域を推定する手法について検討した.しかし，大きさが異なる文字領域が存在した場合に小さな文字領域を検出する事が困難であった.本研究では，二値化画像の差分とラベリング処理による射影の対象となる画像の改善と射影による領域分割を階層的に行う事により，射影による文字領域推定手法の改善を行う.