柔軟シリンダの水圧駆動化に関する研究

摘要

ソフトアクチュエータは，柔軟，軽量といった特長を有しており，福祉機器や医療機器，人間共存型ロボットなどの高い人間親和性が要求される分野に適用されている1)．一方で，ソフトアクチュエータは，大きな摩擦や非線形な入出力特性による扱いの難しさが課題となることも多い．本研究で提案した柔軟空気圧シリンダにおいては，制御性能の低さや湾曲動作時の変位計測の難しさも課題の１つであった．制御性能に関しては，既報において外乱オブザーバとモデル予測制御系（以下，MPC）を組み合わせた新しい制御手法により，シリンダが一直線上に固定されている状態および湾曲状態において平均絶対誤差1mm 以下で制御可能であることが確認され（Fig. 1），その有効性が示されている．なお，これまで検証してきた変位制御実験において，その取り扱いの容易さから，柔軟シリンダの作動流体には空気が用いられてきた．そのため本稿では，柔軟シリンダのさらなる適用範囲拡大を目的とし，作動流体を水道水に変更した水圧駆動化について検討する．