総 論:ナノ構造制御・評価と有機デバイス・センサの高性能化

摘要

有機材料の電子・光機能性の研究や有機材料を用いたデバイス・センサの開発など，有機エレクトロニクスやバイオエレクトロニクスに関する研究が大きく進展してきている。このような有機材料は，軽量かつフレキシブルで，費用対効果が高く，大量生産が容易という特長を有している。また，フィルム状多層構造デバイスの作製も容易で，有機分子を構造制御したり，分子設計・合成したりして，種々の分子材料開発も行われている。また，ユビキタスデバイスやウエアラブルデバイスなどが，フレキシブルデバイスとして期待されている。さらに，印刷技術を駆使して電子回路を構築するプリンテッドエレクトロニクスの研究や，生体を構成する材料の機能や抗原－抗体反応などを応用するバイオセンサなどのバイオエレクトロニクスの研究も盛hである。よって，近い将来，有機材料を用いた革新的デバイスの開発がなされると考えられる。有機デバイス・センサは，様々な分野でますます注目されており，その高性能化のためのナノ構造制御・評価は非常に重要であり，現在，種々の試みや研究開発が進められている。