零相電流を用いた磁気浮上モータシステムにおけるダイオード整流回路による浮上直流バイアス電流制御

摘要

自由度制御形磁気浮上モータは，スラスト磁気軸受とモータを組み合わせた構造であり，磁気浮上と回転に2台のインバータが必要であった(1)(2)．このシステムの小形化・簡素化を目指し，著書らはこれまでに，三相インバータ1台のみで，三相埋込永久磁石形同期モータ（IPMSM）駆動と，1自由度制御形鉄球浮上制御を実現している(3)．この方式では，浮上巻線をモータ用三相Y結線の中性点と，2台の直流電源中点との間（本稿では零相と定義）に結線し，この零相電流で磁気浮上制御を行った．システムのさらなる簡素化のため，1台の直流電源と2個の分圧コンデンサを用いる場合，この分圧電位はフローティングであるため，磁気浮上制御の零相直流バイアス電流によって不平衡となる.