超小型電気自動車のステアバイワイヤシステム: 生体情報を用いた操作性評価に関する基礎検討

摘要

現在，超小型電気自動車（Fig. 1）の法整備が整い，観光地でのレンタルや山間部地域の高齢者による短距離移動，都市内のポーターサービスなどに採用されるなど，二輪車のような利便性と自動車に近い快適性と安全性を兼ね備えた超小型電気自動車は様々な年代と用途の需要がある．一方，その小型さゆえに車内空間が狭く，パワーステアリング等の未搭載や座席の調節範囲不足による運転姿勢の制限が課題として挙げられる．特に高齢者などの筋量の少ない運転者にとっては操舵操作が負担となり，疲労の蓄積などが懸念される．様々な運転者がより安全かつ快適に超小型電気自動車を利用できるように，当研究グループではステアバイワイヤシステム（以下SBWS）を超小型電気自動車に搭載し，運転者の負担低減について継続的に研究を行っている．SBWS はハンドルとステアリング機構に機械的な結合に代わって操舵入力を電気信号によって車輪に伝えるため，操舵反力アクチュエータ，転舵アクチュエータ，制御器によってそれぞれ独立し，構成されるためにより省スペースかつハンドルのレイアウトを自由に変更することが可能となる．また，運転者にとって適切な操舵反力を反力アクチュエータに発生させることにより，運転者をアシストすることも可能となる．