被災情報提供用無線ネットワークによる情報伝達能力に関する一検討

摘要

近年，地震や津波をはじめとした大規模自然災害が世界各地で発生している[1][2]．一度，これらの災害が発生した際には，迅速かつ的確な災害対策支援を実施する事が被害の拡大防止に直接的に影響を及ぼす．しかしながら，地震等の地形変動や大規模な建物破壊を伴う災害が発生した場合は，通信手段の喪失により，被災情報の収集は非常に困難となる．　そのため，我々はこれまでそのような状況下においても，確実に被災情報を収集するために，災害発生後に無線LAN（Local Area Network）により独自に構築する無線ネットワークを用いて被災情報を収集するシステムの検討を行ってきた．　本稿では，これまでの研究で実施してきた独自無線ネットワークの基地局の置局計画法の検討[3][4] に引き続き，設置した基地局間の無線リンクの中のボトルネックリンクを改善する手法や，無線の通信特性を考慮した情報伝達プロトコルに関する基礎検討を行った結果について報告する．