雷撃時の音響データ解析による風車ブレードの損傷判定技術の検討

摘要

風車ブレード被雷時に発生する弾性波（固体伝播音）を計測して，着雷によるブレード損傷の発生を検知するシステムを模型実験により検討した.実際の風車ブレードに近い構造をもつ模型を用いた検討により，計測される弾性波の信号強度低下やダウンコンダクタ起因のノイズ等の課題を抽出した.また，これらの課題を検討する中で，空気中伝播音を利用する方法の可能性を見出した.空気中伝播音はダウンコンダクタ振動の影響を受けずにSN比の良い計測が可能であり，弾性波と併せてより精度の高い異常着雷検知が可能かと考える.今後は，本システムの現場適用に向け，弾性波の信号強度低下対策や必要な電磁ノィズ耐性等の必要性能あるいはセンサ等設置に係る安全対策について検討を進めるとともに，実機ブレード長での試験等が必要と考える.商品化を検討いただける企業等を探し，実用化に向けた取り組みを進めていきたい.