需要家の電力資源を活用した電力需給調整の課題と今後のあり方

摘要

地球温暖化に起因すると思われる豪雨などの異常気象，それらに伴う農作物の生育の悪化などの現象が我々の日常生活に身近に感じられるようになった。このようななか，持続可能な社会の実現に向け，気候変動枠組条約第21 回締約国会議(COP21)にて地球規模の温室効果ガス削減目標が合意され，太陽光，風力などの再生可能エネルギー(VRE：VariableRenewable Energy)導入などの環境対策が図られている。これに加え，日本ではエネルギー安全保障のための国産エネルギー源として，再生可能エネルギーの増設が進hでいる。しかし，天候の影響で出力変動する再生可能エネルギーの増設は電力系統に影響を与える。このため再生可能エネルギー源の増設と並行して電力系統の安定化対策の検討が必要である。