デザイン工学手法による卒研題目の選定

摘要

我国高等教育機関での工学教育が世界水準として認知されるためには「デザイン工学（Engineering Design）」教育の充実が必要であると、国際的な技術者教育認定組織ABETからJABEE に提示されて以来、高等教育界ではデザイン工学教育への種々のアプローチが行われてきた。しかし、いまだ標準的な指導内容や教科書は少ない。また、我国はかつて、実業としての工学の成果において目を見張るものがあったが、「デザイン工学」に象徴される知識科学としての裏付けや体系化が遅れたために、その指導的地位は欧米が握り、ものづくり産業の分野では他の国に追い越されてしまった。結果、日本のエンジニアの多くも、国内や日本企業でしか評価されない状況を生hでいる。