モータ制御の技術革新によるモータドライブの新展開１:トルクフィードバック制御によるＰＭＳＭ弱め磁束制御

摘要

d 軸インダクタンスLd とq 軸インダクタンスLq が異なる永久磁石同期機(Permanent Magnet Synchronous Motor:PMSM)の場合，インバータの出力電圧の最大値で運転するいわゆる弱め磁束制御領域では，特に電動機トルクに対応した適切な電流ベクトル指令値を決めることが困難である。この問題に対しては，今から20 年程前に，鉄道車両駆動にリラクタンストルクを発生する逆突極形PMSM を適用する際，この問題を解決すべくトルクフィードバック制御(1)(2)(3)が提案された。この方法の基本的な考え方は，インバータの出力電圧最大値(制限値)Vmmax*の制限下で，トルクがトルク指令値Tm*に追従するよう，固定子電流ベクトルia，端子(インバー