空撮画像を用いたチモシー採草地におけるクサヨシの検出

摘要

北海道では地下茎型イネ科のリードカナリーグラス（クサヨシ，Phalaris arundinacea L.）が酪農経営で問題となっている。クサヨシは，飼料としての品質や家畜の嗜好性が低く，乳牛の粗飼料摂取量ならびに乳量低下の一因となる。クサヨシの防除には非選択性除草剤を利用した草地更新が有効な手段であるが，効率的な防除のためには各圃場のクサヨシの優占度や分布範囲に応じた更新計画を立てる必要がある。近年，無人航空機（UAV：unmanned aerial vehicle）の普及が進み，草地管理においても活用されつつある。クサヨシの検出においてもUAV が利用され，クサヨシが草丈の高い群落（パッチ）を形成する特徴があることから（Fig.1 参照），草が伸びていない時期とクサヨシパッチが目立つ時期の二時期の数値表層モデル（DSM，digital surfacemodel）を作成し，その差から面積を算出する研究が行われている（4）（5）。本研究では，異なる時期の画像取得の手間をなくすため，クサヨシ草高が一番高い時期の空撮画像のみ用いたより簡易で手順の少ない検出方法を検討した。