光電波融合技術によるマイクロ波無線設備の耐雷性能向上:光ファイバ給電駆動型高周波増幅器の試作

摘要

あらまし　電力会社が業務で用いているマイクロ波無線設備は通信鉄塔上部のパラボラアンテナと局舎内の無線機間が導波管で接続されている。通信鉄塔に落雷があった際には，導波管を経路とするサージ電流の侵入によって設備に被害が発生することがあるため，耐雷性能の向上が求められている。我々は，導波管を除去し，その代わりに光ファイバを活用した光電波融合技術(RoF: Radio-over-Fiber)により無線信号を伝送する構成を提案している。本稿では，RoFの送信出力を実用レベルに増大するために，光ファイバ給電で動作する高周波増幅器を用いることを提案し，さらに試作した高周波増幅器モジュールを用いた実験結果を報告する。実験においては実無線機の16QAM，32Mbpsの無線信号を用い200mの光ファイバ伝送時においてパワーペナルティが1dB以内となる良好な信号品質で約50mWの実用的な送信出力を得ることに成功した。