画像処理技術を用いた海浜部における廃棄物検出手法に関する基礎的研究その1 画素操作フェイズ

摘要

画像から何が写っているか認識する画像処理の技術は近年著しく発展しており，デジタルカメラに搭載されている顔認識を始め，レントゲン写真による臓器の輪郭認識や血液像の自動分類認識による白血病及び各種の血液疾患発見など様々な分野で応用され，高い認識率を誇っている。そこで，画像処理技術を用いることで海浜上にある廃棄物の認識も可能であると考えられる。静止画像からの廃棄物の自動認識が可能となれば，分類の際にも調査者の負担にならないほか，海岸に対する廃棄物の領域の把握など数理形態学の観点から各地域の漂着ごみの状況把握ができるようになる。また，スマートフォンなどの普及により，デバイスが持つカメラ機能，メール送信機能を有効に利用し，地域の特性把握を行う研究3）もあり，視点位置などの制約の無い自由な撮影画像からの廃棄物の検出が可能となれば，一般市民を対象とした調査が可能となるほか，より広い地域の調査ができるようになる。以上を踏まえ，本研究では画像処理を用いて撮影画像からの廃棄物自動認識法の提案及び開発を行うことを目的とする。