高強度コンクリートの型枠存置期間が初期強度発現に及ぼす影響に関する実験研究:早期脱型した場合の圧縮強度に及ぼす影響

摘要

近年、建築物の高層化に伴い、高強度コンクリートを用いた超高層鉄筋コンクリート造建築物の設計・施工法が開発され、数多く建設されている。超高層RC造建築物の施工において現場打設コンクリートを採用する場合、システム型枠を用いることからコンクリート打込み後、早期に脱型することにより、型枠の転用効率の向上と工期短縮を図ることが求められている。一方、せき板はコンクリートの初期養生として機能しており、初期養生は構造体コンクリートの強度・耐久性確保の上で重要である。JASS 5では、高強度コンクリートのせき板の存置期間は、コンクリートの圧縮強度が、8 N/mm~2以上に達したことを確認するまでとすると記載されているが、型枠存置期間がコンクリートの品質に与える影響に関する研究は少ない。そのため、本研究では、型枠存置期間が普通ポルトランドセメントにシリカフュームを混和材として用いた高強度コンクリートの品質に及ぼす影響を明らかにするため、養生温度別（10°C、20°C、40°C）に、早期に型枠を脱型した時の圧縮強度発現性状とヤング係数について実験を行い、型枠存置期間と材齢28日圧縮強度、ヤング係数の関係について検討を行った。