柱梁強度比が1に近いPC，PRC造柱梁接合部の破壊モードと終局強度に関する実験（その 2 実験結果）

摘要

柱梁曲げ強度比が1に近いPC， PRC柱梁十字部分架構試験体を用いて実験を行った結果，以下の知見を得た。1.柱梁曲げ強度比が1.0の試験体は接合部パネルにコンクリートの剥落などの損傷が生じた。プレストレス率0.77のPRC試験体は，同一の梁断面を有し，梁曲げ破壊となったNo.3， No.4の実験結果から得られる梁の曲げ強度を発揮せず接合部破壊となった。プレストレス率1.0のPC試験体では最終的に梁端のひび割れが拡大した。2.柱梁曲げ強度比が1.4～ 1.5のPRC試験体は梁端のひび割れが拡大し，梁曲げ破壊となった。3. PRC試験体ではRC試験体ほど接合部終局強度計算値は実験値を過小評価した。4. PRC試験体も柱梁強度比を1より大きくすることで接合部破壊による耐力低下が小さくなった。5.梁曲げ破壊となった試験体は梁端での回転変形が局所的に大きくなり， PC鋼棒が破断した。