冷媒加熱法によるルームエアコンの冷媒流量ならびに能力計測法 その 1 暖房モードの計測結果

摘要

ルームエアコンの実働状態の運転効率を明らかにするためには、家庭で実際に使用されている機器の計測データを取得することが望ましい。実使用の妨げにならない計測方法としては、例えばファンの回転数等から風量を算出する簡易AE法や、 CC法がある。前者は風向が変化した時の風量算出方法と、冷房時の吹き出し湿度の計測誤差に課題がある。後者は適用可能な機種が限定される点と、能力算出に必要な諸定数を第三者が確認できない事から、適用範囲が限定される。その他、循環冷媒流量を計測する方法では、例えばコリオリ流量計を用いる場合は配管の切断が必要となるし、超音波流量計の場合はルームエアコンの液管での気液速度比に起因する誤差が生じるなど、それぞれの方法に利点、欠点が存在する。そこで、本研究では連絡配管の気相冷媒を加熱し、その前後の比エンタルピ差から冷媒流量と能力を算出する方法（以下冷媒加熱法）を考案し、実使用時の計測法としての可能性を検討した。本報ではまず、暖房モードの検証結果について述べる。