アネモ型ディフューザーを空調吹出し口に用いた室の気流解析に関する研究（その 14）噴流理論を用いた吹出し気流の特性把握

摘要

複雑形状の空調吹出し口を有する室のCFD解析では詳細なメッシュ分割を要するため計算負荷が増大し、実用性に欠ける。そのため計算負荷の軽減を目的とした吹出し口のモデリングに関する様々な研究が行われており、その代表に吹出し口周辺に設定した仮想境界面上に気流分布等の境界条件を規定して解析を行うBOX法やPV法がある。これらの手法を適用するには吹出し口周辺の詳細なデータが必要であり、岡市らは測定により境界条件の作成を行い、澤田らはその測定結果を用いてCFD上で吹出し気流のモデル化を行った。これらのモデルでは、風量の変化や非等温吹出しに対応できる汎用性の高い吹出し気流データを整備する必要がある。本報では吹出し風量をパラメータとしたディフューザー周辺気流測定を行った結果を報告し、噴流理論を用いて特性を把握し汎用的なCFDモデル作成に資することを目的とする。なお、本報は既報を一部再検討し、加筆した上で再構成したものである。