イングランドにおける広域空間計画制度の変遷とガバナンスその2

摘要

その2ではLeeds City Regionを対象に，その地域概要とCity Regionの設立経緯およびCity Regionレベルのガバナンス体制を調べることで、広域空間ガバナンスの体制の可能性と課題を探ることを目的とする。Leeds City Regionは，イングランド北東部に位置するYorkshire and The Humber RegionのLeeds City Councilを中心に， 10の自治体で形成される経済圏である(図1)。人口は約300万人で英国(UK)全体のGDPのおよそ5％を生み出している。Leeds City Region4)事務局長のRob Norreys氏によると， Leeds City Region設立の動きはRegional政策とは関係なくボトムアップの形で進められたとのことである。 1999年よりリサーチが開始され， 2004年に経済的な競争力を持つことを目的に10の自治体間でパートナーシップが締結された。なお，ここで言うCity Regionとは「一つまたはそれ以上の中心的な都市と，それらの都市に労働力やサービス業の利用者を供給している周辺エリアが一つのブロックを形成していると見做し，そのブロックに対し，エリア内の経済開発，都市計画，雇用，交通などに関する権限を与えるという考え方である(文献1)p.76より引用)」。