電力会社の事業継続を支援する建物健全性評価システムと復旧支援システムの高度化:想定地震に対する検討機能の追加

摘要

電力供給の役割を担う電力会社において、自社の事業継続並びに地域社会のニーズに応えるために事業所の機能確保と施設の早期復旧が重要となる。著者らは、大地震発生後、建物の被害状況を速やかに把握するため地震記録を活用した拠点建物の健全性評価システムと震度データに基づく全施設を対象にした復旧支援システムを稼働させている。一方、2011年東北地方太平洋沖地震以降、各機関や自治体から想定地震の地震動が公表され、これらに対する被害想定を行い、対策を考えておくことが必要となっている。これらのシステムに想定地震に対するデータ整備と検討機能を強化し、迅速に対応できるようにしたので報告する。