高力ボルトとアングルを用いた柱梁半剛接合部の初期剛性に関する研究その４ 柱の変形を考慮したウェブアングルの引張剛性の評価方法

摘要

アングルなどの接合金物と高力ボルトを用いて接合される鉄骨構造では、接合部の局所変形によって地震時の骨組変形が大きく、建物の変位を制限値以下に抑えるため、精度の良い剛性予測式が求められている。前報までの研究では、既往の研究において検討されていないアングル幅方向の剛性低下率に注目し、実際の変形性状に対応できる剛性評価式の提案を行っている。本報では、柱の局所変形を考慮した引張剛性の評価式について、前報で提案されているフランジアングル接合における柱フランジ面外剛性の計算式に対して、ウェブアングル接合部にも適用できるように検討してみる。その4では、汎用数値解析ソフトABAQUSを使用して得られた一連の数値解析の結果を参考にして、昨年度の単純力学モデルを応用したウェブアングル接合部の剛性評価式を提案する。その5では、載荷実験の結果と比較することによって、剛性の予測精度を検討する。