弾性体への衝突を考慮した中規模天井の衝突実験:クリアランスを有さない天井の動的挙動 その3

摘要

本報告ではクリアランスを有さない中規模天井試験体を用い、被衝突面を弾性体とした時の衝突試験による反発係数の同定と、応答加速度の伝播に関する考察を行う。Fig.1に試験体全体図を、Fig.2に天井構成部材を示す。天井は試験体部分と加力部分に分かれ、力の伝達が石膏ボードのみにより行われる様に、野縁は縁を切っている。試験体部分は実際の一般的な平天井に倣って組まれている。寸法は3900×1200mmで、化粧石膏ボード(t=9.5mm)の1枚張りにより構成されている。ボードの継ぎ目部分にダブルの野縁、その間にシングルの野縁を等間隔に2本配置しボードにビス留めされている。野縁受けは900mmピッチで配置されている。また吊りボルト径をΦ6とし、ピッチは振動方向、直交方向共に900mmである。吊元からの天井面高さは1500mmである。野縁受けとの接合部ではハンガーを使用し、吊り元は振動台フレームのリップ溝形鋼下フランジに開けた孔にナット締めすることでピン支持としている。 Table 1に試験体に使用している部材の諸元を示す。なお、加力部分は耐風圧仕様としており、動的な加振時に質量を付加する際に用いるものである。施工時に計測した部材重量と計測機器等の重量から、試験時の慣性力に関わる重量は120kgと考える。