電磁シールド性能基準値測定方法に関する検討（その 1　基準値測定環境に関するシミュレーション検討結果について）

摘要

挿入損失法による電磁シールド性能リファレンス値（基準値）測定は，送受信アンテナの設定方法が示されているのみで，測定時の周辺環境の設定については触れられていない。ここで，周辺環境とは送受信アンテナ設定に対する床（大地），および周辺空間における金属材料や反射面の存在と定義する。基準値測定での理想的な周辺環境は宇宙空間等であるが，これは非現実的であり，「広い屋外空間での基準値測定（床，大地のみが存在する）」が現実的と思われる。筆者等は，この基準値測定において好ましい周辺環境の条件に関する検討を実施した。当報告では，送受信アンテナ周辺の近傍に反射面が存在する場合の影響度を，数値シミュレーションにより検討した結果を報告する。