戦前期青島の公園における桜の植栽

摘要

青島の中山公園の桜は1930年代から青島の「十大景勝」となり、毎年桜の祭りが行われている。今、中山公園だけではなく、老舎公園や貯水山公園や社区公園にも桜の姿はよく見られ、青島の主要樹種の一つとなっている。本研究はまず日本の象徴とされている桜がいつ頃に青島に輸入され、如何なる場所で、どのように配置されたかを明らかにする。そして、ドイツ（1898−1914）、日本（1914-1922）、中華民国（1922−1938）、日本（1938-1945）に支配された青島で、桜がいかに植民文化と結びつけられたかを分析する。用いる史料は各時期の古写真と市街地図である。