日常生活における情報発信者の特徴認識を可能とする携帯端末間での自律的情報交換の提案

摘要

近年,携帯電話やPDAなどの携帯端末が我々の日常生活に急速に普及し,電子化した情報を端末内に蓄えておくことが可能になった.そのため，現在は携帯端末による個人同士の情報交換が頻繁に行われるようになっている.これに対して，従来の人と人との情報のやりとりでは,利用者が新閔ゃテレビなどで知り得た情報を口頭で他者に伝えることが一般的であった.この状況下では,人と人が話をしている場に見知らぬ第三者が通りかかることで,第三者が偶然その情報を知り得るといった現象が起こっていた.一方,携帯端末内に蓄えられた情報は「利用者が情報を発信する」といったき的な動作を行わない限り他者に伝わることはない.したがって,現在では偶発的に情報を知り得る機会が失われていると言える.そこで我々は,端末間が自律的に通信を行うことで人の動作を介さずに情報を交換し,偶発的な情報発見の機会を増加させることを目的とした協調的情報共有環境"街角メモリ"[1]の構築を行っている.