ネットワークカメラ群を用いた不審な軌跡を抽出する防犯システム

摘要

近年，防犯意識の高まりから一般家庭でも防犯カメラが設置されるようになった.しかし，防犯カメラを有効に活用するには，膨大な録画画像を記録し検索する必要がある.現在の防犯カメラは録画データ量を減らすため,毎秒の録画コマ数を減らしている.また，録画時刻からの検索のみのサポートが一般的であり，動体を検知した画像を集約し，管理者に表示する程度にとどまっている[1].これらのカメラでは，不審者検出は人手による監視に頼っており，商業施設での導入は可能であるが，一般家庭への導入は難しい.また，防犯カメラの設置者が異なる場合，個々の設置者との交渉•連絡が必要であり,犯罪捜査のために録画画像を入手するのに手間がかかる.これらの問題点に対し我々は，防犯カメラをP2Pネットワークにより接続し，互いに連携させることを試みた[2].本稿では，これを発展させ，動画像からの特徴抽出とこれを利用した不審者検知機能，周辺カメラの自動発見機能を追加，設置するのみで近隣のカメラ情報等の設定が不要なP2P防犯カメラネットワークを提案する.