ビットストリームパターン再構成によるFlash Videoの適応的Multiple Description符号化

摘要

近年のプロードバンド化に伴い動画像のストリーミングサービス，特にYouTubeやニコニコ動画等のFlash Video (FLV)[1]を用いたものが広く普及しているが，それらはストリーミング配信に適するRTP[2]ではなくTCPによるダウンロード型で配信されている。そのため，単純にFLVをRTPで配信した場合，発生しうるパケットロスに対処できない。そこで我々は，バースト欠落型パケットロスを隠蔽する効果的な手法のーつであるMultiple Description (MD)符号化[3]をFLVに適用しこの問題の解決を図る。MD符号化は入力情報を複数のストリームに分割し，それらの相関関係を冗長情報化して付与することでパケットロスを効率的に補間するものである。この報告で我々はFLVビットストリーム構造を利用したパターン適応型MD符号化を提案する。提案法の性能は実動画像を用いて確かめられ，FLVに対して効果的に働く事が確認された。