岩手·宮城内陸地震の上下動波による地盤の跳び上りについて

摘要

2008年6月14日に発生した岩手·宮城内陸地震の震源から3kmの位置にある断層直上に設置したIWTH25(一関西)の地震計がとらえた地表面での上下動加速度は3866gal,水平動成分NSは1143.19gal、EW成分は1432.71galであり、上下動成分が極めて大きい。地表面での上下動加速度波形は、図1に示す様に基線の一方のみに偏った大きな加速度を生じていることが特徴である。加速度が1Gを超えると、構造物は重力加速度が無くなり、その時点での速度が上向きであれば物体は跳び上る。高畠、野中、梅田は、地震の震源地近傍で跳石現象が見られることから、この現象が水平動振動よりも上下動振動により発生することを解明した。