高度 300 km 以下の超低地球軌道(sub-LEO: sub-Low Earth Orbit)における衛星の運用は打ち上げコスト削減,無線通信の省電力化,観測データの高分解能化などの観点で有利である.近年,sub-LEOの利用に向けた様々な取り組みが行われている. ESA はGOCE(Gravity Field and Steady-State Ocean Circulation Explorer)ミッションにおいて2012-2013年の間,平均高度260-230 kmの間で衛星が運用した.また, JAXAでは2017年より超低高度技術試験機(SLATS:Super Low Altitude Test Satellite)ミッションが現在も行われている.高度の低い sub-LEO では大気抵抗補償のための推進器が必須であり,これらの衛星にはイオンエンジンが搭載されている.しかし,イオンエンジンの推進剤であるキセノン(Xe)の搭載量がミッション期間を制限するという問題が依然として残る.
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