母語･外国語朗読におけるL1,L2の呼吸量の制御

摘要

本研究では，外国語学習者(L2)が物語の朗読をした時の呼吸量(呼気量および吸気量)の制御について，学習言語の母語話者(L1)と比較する。L2 がL1 と同じようにその制御ができるとするならば，そのL2 の習得レベルがL1 と同等の程度であると仮定できる。第一の目的として，この仮説の検証を行う。本研究におけるL2 は中国語話者で学習言語は日本語である。一般に，呼吸量を知るためには，ある程度の長さの発話が必要になる。そのため，物語を朗読させることにした。発話は，音声のある部分と音声のない部分から成り立つ。音声のない部分は，ポーズとされるが，この部分には息継ぎも入っている。ポーズは，句読点よりも回数が多く出現する。通常，息継ぎは，物語の句読点で行われるとされるが，その真偽を第2 の目的として明らかにする。