感音性難聴者の語音明瞭度と初期音響エネルギーとの関係

摘要

難聴は伝音性難聴と感音性難聴に大別される。伝音性難聴は、内耳に至るまでの中耳伝音系疾患による難聴で、補聴器などの拡声デバイスで語音明瞭度（複数の単音節を聞かせた時の正答率）を健聴者と同等まで回復させることができる。一方、感音性難聴は、内耳またはそれ以降の組織に起こる疾患によるもので、補聴器を用いても一定の明瞭度の改善しか望めない。老人性難聴はこれら混合難聴であり、補聴器による聞き取りの回復には限界がある。