プラスチック基板における原子層発光素子

摘要

直接バンドギャップを有する遷移金属ダイカルコゲナイド（TMDC）単層膜は特異なバレー構造に起因した円偏光発光が実現されており、バレートロニクス応用が期待されている。特に最近、TMDCに歪みを誘起することで、室温においてバレー分極を制御する手法が報告された。これはつまり、歪みにより室温円偏光発光を制御可能であることを示唆している。そのためには、歪みを導入可能な発光素子が必要不可欠であるが、TMDCにおいて可塑性基板上に発光素子を作製した例は皆無である。そこで本研究では、任意の基板上に転写可能な化学合成した単層膜に注目し、ゲル状電解質を用いた発光素子構造と組み合わせた。これにより、プラスチック基板上にTMDC発光素子を作製し、一軸性歪みを印可しながら発光特性を調べた。