ガラス膜を複数回塗布したカバーガラスを用いた太陽電池モジュールの電圧誘起劣化抑止効果の評価

摘要

高電圧を伴う太陽電池(PV)モジュールの劣化現象の一つとして、出力が比較的短期間に大幅に低下する電圧誘起劣化(Potential Induced Degradation:PID)が知られている。PIDは、カバーガラス中もしくはセル表面に汚染物質として存在する Na などの金属イオンが、電界により移動し発生すると考えられている。PV モジュールの構造の多様化および長期信頼性の観点からPIDの対策は重要な課題である。PID抑止対策の一つの手法として、高抵抗封止材料を用いる方法などが報告されている。前回、我々は溶液から簡便に形成可能な高抵抗ガラス膜に注目し、ガラス膜をカバーガラス表面もしくは裏面に形成しPID抑止効果を確認した。本研究では、ガラス膜をカバーガラスに複数回積層させたPVモジュールを作製し、PID発現への影響を調べた。