高出力超短パルスレーザーのためのNd: CaF_2透明セラミックスの開発

摘要

Nd:CaF_2は発振波長(1055 nm)の半値全幅が数十nmと広いことが報告されており1)サブピコ秒増幅が可能な高出力超短パルスレーザー用の媒質として期待されている。また、熱伝導率が高い事、屈折率の温度依存性（dn/dT）が負などの利点もある。しかし、Nd:CaF_2では、Ca~(2+)とNd~(3+)の価数の違いに起因するNd~(3+)のクラスター化が消光の原因になることが知られている。Y3+などのバッファー元素の添加によりクラスター化を抑制することが重要な課題となっているが、結晶育成は容易ではない。本研究では、Nd: CaF_2の透明セラミック化を目指すが、今回は透明セラミック化するために重要な材料粉体の合成に関する研究結果を報告する。