機械学習によるメソゲンエポキシ樹脂の液晶相識別

摘要

規則的な組織構造を形成できるメソゲンエポキシ樹脂は高靭性ゃ高熱伝導性などを示すことから、高機能性材料として注目されている。組織構造の形成条件を最適化するために液晶相の識別が必要となるが、偏光顕微鏡（POM)観察により独特なテクスチャから相を識別するのが簡便な手法である。しかし、観察画像には複雑なテクスチャや色彩情報が含まれており、複屈折の僅かな差で同じ相でも見え方が異なる。このため観察画像の解釈は経験に依存し、観察者によるバラつきと解析効率の低さが問題となっている。一方、機械学習による画像識別は、人間の能力を超えた処理速度と正確さが多くの分野で確認されている。本研究では、観察者による液晶相識別の問題を改善するために、機械学習により定量的に液晶相を識別する手法の開発を目的とする。