無線ネットワークのテストのためのGPIO を用いたトラフィックエミュレータ

摘要

工場，倉庫，商業施設などの屋内環境下へのIoT（Internetof Things）デバイスの導入が急速に進行しており，それに伴う無線品質の悪化が懸念されている．例えば工場においては，新規デバイスを追加することで新たに干渉が発生し，既存や追加のデバイスが期待通りに動作しないことや，さらにはそれが生産システム自体の遅延や停止につながる可能性への懸念が存在する．これに対する一つの解決策として，我々は，環境内でのIoT デバイス間の通信品質をテストするための無線トラフィックエミュレータを提案している[1]．提案エミュレータは複数の送信ノードから構成され，これらの送信ノードを用いて，対象環境内のIoT デバイスが発生させるトラフィックを模擬したトラフィックを生成するものである．例えば，工場において生産能力の増強のために新たな工作機械等のIoT デバイスを追加したいという場合に，まず提案エミュレータにより模擬的にトラフィックを生成し，それによる通信品質への影響を観測することで，デバイスの追加によって通信品質に許容できない悪化が生じないかどうかを事前にテストすることができる．