北京旧城エリア近傍における城中村の形成プロセスとその居住実態・整備手法に関する研究: 朝陽門外・化石営地区を対象として その１

摘要

化石営地区では、1950 年代に工業化が図られたことにより、工場宿舎、集団移転の住宅が数多く建設された。1978 年の改革開放以降は、都市部への人口流入により、地区内の高密化が進hだ。1990 年代以降は一転して北京の第三次産業を担う「北京CBD 地区」に化石営地区とその周辺一帯が指定され、地区周辺では大規模な再開発事業が頻発した。しかし、化石営地区では高騰する立ち退き補償や複雑な所有関係によって再開発事業が進まず、周囲に取り残されるように、「孤島」のような街区を形成した。このように、建国以前の都市交通や宗教、風水の影響を受けた歴史的都市空間の変遷と、建国以後のダイナミックな都市計画および、その舵切りによって形成された、中国最初期における「城中村」の形成プロセスを明らかにした。