地盤改良により既存杭を再利用した建物の地震応答解析

摘要

建物慣性力が最大となる時刻でのModel1～3 の地震応答解析結果を比較することで下記の4 つの知見を得た。1) 埋没した既存杭をそのまま残置しても新設杭にはほぼ影響を及ぼさない。2) 既存杭-新設杭間に表層地盤改良を施すと、既存杭が浅部で応力を負担するようになり、新設杭のモーメントを低減できる。3) 表層地盤改良は深部にはほとhど影響を及ぼさない。4) 改良地盤と下部地盤の境界部分の杭に応力が集中する。今後は、地盤変形が支配的となる場合の解析・結果比較も行い、表層地盤改良の有効性を評価する。加えて、より実情に即した解析を行うために既存杭・新設杭の位置関係や地盤の非線形性、杭の軸力変動（N-M 相関）を考慮した解析を実施し、より詳細な検討に移行する。