子育て世帯の和室の使い方と住意識: 公的住宅団地を対象とした子育て支援住環境に関する事例研究（その２）

摘要

子育て世帯か否かにより和室に関する意識には違いがみられ、子育て世帯には和室に否定的な意識が多い。しかしながら、子どもが多く家族人数も多い世帯においては、和室の多機能性が高く評価されている。ただ、和室の魅力の一つである畳については高い評価が得られているとは言い難い。子どもが食べ物をこぼしたりミルクを吐いたり漏らしたりする中で、畳について「手入れが大変」と考える人の多いことや、公営住宅において退去時に畳の表替えの手間を回避する結果ともみられるが、それだけでなく畳本来の性質や良さを学ぶ機会のなさが影響していると感じた。今後より一層の検証が求められる。