清家清の住宅作品のフラクタル解析からみた平面図の研究

摘要

清家清は、1950 年から1990 年代にかけて活躍し、戦後の住宅史を切り開いた建築家の一人である。清家は、畳や襖、明かり障子などの日本住宅の伝統的な要素に新しい解釈を与え、一室空間を建具や家具の配置によって自由に調節する「舗設」の概念1 によって、近代住宅の新たな在り方を提示した。また、清家はシンメトリー、アシンメトリーについての記述があり、「幾何学」に関心を持っていたことが推察できる。しかし、直接的な設計論ではないため、「幾何学」の概念は清家の設計にどのように関係したかについて定かではない。