向島地区の施設一体型校舎における住民意向と参加プロセス: 施設一体型小中一貫校校舎計画の研究 その１

摘要

このWS は新校舎の基本計画を策定するにあたって、地域住民や保護者の新校舎計画への意向を取り入れるために行われたものである。４回という限られた回数の中で、第１回は設計者がまだ決定していない段階であり、参加者に予備知識や施工する際の制約はほとhど伝えずに、ざっくばらhに意見が出るよう努められた。設計者は予めプロポーザル案としての「形」を持っているが、地域住民が当初抱えている新校舎計画に抱く希望は「形」としては存在しておらず、第１回WS のポストイットで示されたような「言葉」である。WS 当初は存在しない、地域住民の「言葉」によって導き出される「形」に、設計者が地域に相応しいと考える計画案の「形」をすり合わせていく過程が、向島のWS にはあった。プロポーザル案を基にした計画案を示すよりも先に、地域住民の意向を収集した点がこれを可能としており、これが京都市で行われるWS の特徴と言える。