ボストン公共図書館の運営方針の改訂と建築的変更に関する研究

摘要

近年の公共図書館において、建物が物理的要因( 構造・設備)で迎える寿命よりも社会的要因( ニーズなど) で迎える寿命の方が早いため、空間と利用者ニーズの間に差が生じている。ほぼ全ての自治体で公共図書館が設置済みの日本において、ニーズの変化に対応する手段として、運営方針の改訂とともに、改築、改修・増築、設えの変更などの方法が考えられるが、改築だけでなく、改修・増築で対応していく必要もあろう。本研究では、ボストン公共図書館（以下BPL）の市民のニーズの変化に対応するために改訂さえた運営方針と建築的変更を明らかにする。方法としては、Web 等の文献からBPL に関する情報を整理し、現状を把握した後、収集した図面と現地調査(2018 年10 月) から建築的特徴を分析し、運営方針との関係性を考察する。