交番・駐在所の物理的空間特性の分析

摘要

本稿において、交番・駐在所を対象に物理的な空間の特性について実測調査を行った。その結果、新しい施設では利用者に配慮し、相談室やバリアフリートイレを設置していることがわかった。交番においては警察官と利用者のエリア分けを行い、警察官の安全性を確保していたが駐在所では業務の特性上できていないことがわかった。ただし、交番ではエリア分けを行っているが、カウンターやスイングドアによるものであり、完全に空間を分断するものではない。また、カウンターにおける死角の発生についても分かった。ガラススクリーン等で完全に分離するという提案も考えられるが、提案に当たっては、完全分離することによる影響（対応の仕方、利用者の心情）等について調査を行う必要がある。また、交番のレイアウトには「スクリーン型」、「アイランド型」の2 つの型がみられた。今後、それぞれの使いやすさ、安全性についてさらに詳細に検討し、よりよいワークプレイスづくりを提案していきたい。