共同住宅の居付き改修工事における騒音・振動に関する実態調査: 二戸一改修における界壁撤去工事を事例として

摘要

本調査では、共同住宅の二戸一改修を対象として騒音・振動の実態調査を行った。CB 壁の解体工事では、作業付近で80～90dB の騒音が発生していたが、その隣接住戸の騒音値は15～25dB 小さく、工事住戸から１スパン以上離れると、一般的には受忍可能な騒音値まで低減されていることが示唆された。一方、実際の居住者の感じる騒音・振動の程度は、上記結果と概して符合しているものの、一部の居住者にとっては著しく大きく感じられた。受忍の程度には個人差があることを前提としつつも、騒音の伝搬状況を見極めた上で、受忍限度レベルを超える住戸には重点的な説明を行う等、居住者への事前周知の効率化が図られることが望まれる。