構造的及び意匠・計画的観点の共起関係と相関デザインプロセスにおける構造的及び意匠・計画的観点の関係 その2

摘要

「面の構成」による模型制作実験と被験者の発話分析を通して、発想段階のデザインプロセスにおける構造的観点と意匠・計画的観点を抽出し、それらの共起関係や相関関係について考察した。得られた知見を以下にまとめる。1) 「プロポーション・バランス」の観点は、構造的観点と共起しやすい意匠・計画的観点であり、「空間の用途・機能・モチーフ」の観点は、構造的観点と交互に表出しやすい意匠・計画的観点である。2) 制作中に想定する視点については全般的に「アイレベルでの見え方」が多い（その1 の4-2-2 より）が、構造的観点が表出している時には、鳥瞰や立面図のような、「メタな視点」が共起する傾向がある。3) 構造的観点同士の組み合わせでは、「接合部の長さ」−「支点の位置」などに強い正の相関がある。4) 意匠・計画的観点同士の組み合わせでは、「空間の大きさ」−「プロポーション・バランス」などに強い正の相関がある。また「外観の変化」と「人の行動」などに強い負の相関がある。5) 構造的観点と意匠・計画的観点の組み合わせでは、「構造的な評価」−「反復・相似・軸線などに強い正の相関がある。また「壁の向き」−「メタな視点」などに強い負の相関がある。構造的観点「支点の数」は、意匠・計画的観点と関係が特に希薄である。