既存建築物に対するZEB 化技術の適用性評価研究: その２ 社有建物の改修方針選定フローと効果試算

摘要

COP21 で採択されたパリ協定や政府より発表された地球温暖化対策計画など世界的に脱炭素化の要求はますます高まっている。ストック市場では中小規模の建物が多く，築年数30～40 年の割合が大きくなっていることから，大規模な改修やZEB 化の検討が今後必要となってくると考えられる。改修時，費用対効果が大きい省エネ技術を積極的に導入しつつ，ZEB化可能性が高い建物はZEB 化に踏み込むことも重要と言える。本報では「エネルギー消費量」→「建物竣工年」→「建物規模」→「施設重要度区分」の順で既存建物の改修方針の選定を行うこと，ZEB 化に選定された建物の簡易エネルギー削減効果算定を行うことを目的とする。図1 に既存建物の改修方針選定フローを示す。