スペインにおける異世代ホームシェアプロジェクト「CONVIVE（コンビベ）」の運営体制と効果: 各国におけるシェア居住に関する研究 その10

摘要

CONVIVE という異世代ホームシェアプログラムは、協会、市役所、大学の連携による役割分担と相互コントロールによって、長期的かつ持続的な運営に繋がったと考えられる。また、生活のルール等の決定において運営側のルールを強要するのではなく、高齢者と学生同士の話し合いを優先することで、シェア居住に対する満足度を高める効果があったと思われる。一人暮らしの高齢者が増加しつつある日本でも、異世代ホームシェアは高齢者宅の空き部屋の有効活用や一人暮らしで生じる寂しさの軽減、高齢者の生きがい等に繋がるのではないかと思われる。さらに、産学官連携による地域に根差した「共助シェア居住ネットワークシステム」として構築することで、高齢者への安心感、福祉事業予算の削減、学生生活の支援等に効果をもたらすと思われる。